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2010/11/25

トイレの神様

アカシロ歌合戦は、すでに、単なる時代錯誤すら超越した恐竜番組になっているが、それでも、年末の風物詩でもあるし、これに代わる企画も無いのか、毎年やっている。
この番組に出場を依頼されて断るのもスターの証であるが、この番組に出ることがいまだスターの証と考える向きもある。が、もう何十年もヒット曲の無い歌手が、昔の名誉だけで、いつも出てくるのもつまらない。
この番組の司会者に選ばれるのも名誉らしく、局アナがこれを行うと、NHKでもひとかど以上のアナウンサーになったとみなされるらしい。そういえば、思い出すのも気の毒なくらい、歴史に残る大失言をした局アナもいた。そのアナは、その後民放へ飛ばされたが、自殺もせず、精神病棟に入りっぱなしにもならず、普通に生きているだけで十分すごいと思う。
 
さて、NHKは、ニュース番組にすら登場させるくらい、韓国系のグループに入れ込んでいるが、下馬評と違って、1組も出場枠に入れなかった。へえ。1組でも入れたら、ほかとのバランスが取れなくなるから、全部遠慮願ったのかな。
 
今年初出場を果たした歌手の一人の持ち歌に、「トイレの神様」というのがある。全部通して歌うと、10分くらいかかる長い歌だ。昔から、「妊婦はトイレの掃除をするときれいな子が産まれる」と言い伝えられているが、この歌手も、おばあちゃんに、トイレにはきれいな女神様が住んでいるから、トイレ掃除をいやがらずにすれば、別嬪さんになれるんだよ、と言って育ててくれた思い出を歌った歌である。
 
けちをつけるわけではないが、昔は「トイレ」なんて言わなかったのではないか
私が子供のころ、長野という田舎に数年住んでいたが、下水道の発達していないところで、便所はみんな汲み取り式、呼び方も、「トイレ」ではなく、「(お)便所」であった。人の産物が、ありありと見えた。学校も、家庭も、便所の横には、換気筒というのか、とにかく臭気を逃がす長いチューブ状の棒のようなものが立っていた。天気が悪いと、臭気がよどんだ。月に1回くらい、汲み取りにバキュームカーが来たものだ。
「トイレの神様」なんて言われても、おばあちゃんの言葉としては、どこか実感が無い。「便所の神様」では、歌にしにくいのはわかるけど、でも。
 
この歌手は、子供の頃、おばあちゃんに育てられたらしい。愛されていただろうけど、年頃になるにつれ、反発し、家を出た。その後おばあちゃんが入院し、お見舞いに行ってみたらすぐ追い出され、しかし、翌日におばあちゃんは天に旅立った、という歌詞であった。
「私が行くまで待っていてくれたんだね」
という歌詞が泣かせる、らしい。
 
私の祖母は、稀代の奇人変人狂人で、アリンコのように体の小さな乞食ばあさんだったのに、プライドの塊だった。地球が自分中心に回っていないと気がすまない人で、他人のごくささいなミスでも、そのこと一つで5年でも10年でも怒り狂っていた。とにかく、怒るために、そして、人に嫌われるために産まれてきたようなばあさんだった。実の息子である私の父を育てたこともなかったから、家族、祖母と孫、という感覚もゼロだった。私が子供を産まなかったのは、このばあさんの狂気の血を後世に残さないためである。こんなばあさんとまぐわってしまった、じいさんなる人は、どんな人だったんだろう。誰一人として、この「じいさん」のことを知っている人はいない。
 
「私が行くまで待っていてくれたんだね、おばあちゃん」
という情景など、私は経験したことが無い。
私のばあさんが死んだとき、葬式は、マジで、喜びの宴であった。
「やっと逝ったぞ~」
と、親戚中で喜びにひたった。
 
世の中には、いろんなばあちゃんがいるものらしい。
 
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コメント

非公開コメント

No title

桃実様
おばあちゃんがいるから桃実様が存在する、ご先祖様の一人でも存在しなかったら自分自身が存在しないと思うとご先祖様は大事ですよ。

傑作

No title

テレビほとんど見ないから大晦日の風物詩も興味なし。最後にみたのはいつだっけ。1983年暮れの「ガラスの林檎」は鮮明に覚えている。そこまでかな。
おばあちゃんについては、人それぞれでしょうからコメントしません。

No title

カマちゃんさん、 でもですね、「お前はお婆ちゃんに似ている」というだけで、怒られたり、ぶたれたり、泣かれたりされてみてごらんなさいませ。「だったら産まなきゃよかったでしよ」という実話もあるのです。

No title

人生いろいろ、会社もいろいろ、婆さんもいろいろですね。
ウチみたいな軍国婆さんもいたしねw
紅白は興味もないので、蕎麦でも食いに行って、温泉入って、それから
『明日のためにその一 寝る』
としますか。
傑作

No title

内容と関係ありませんが、○○の神様、というと、ロマンスの神様が大好きです。あの無駄に元気で楽天的なバブルの勢い。ああ、こんな女の子いたな、と懐かしい。

No title

お父さんはおばあちゃんの血をひいていたんですね。
当たり前か。
私の父親も嫁さんの両親も変。
この人たちを反面教師にしているので、私たち(もち嫁さんと)は仲がいいと思う。
12月2日から31日まで旅行に行ってきます。1日に帰る予定でしたが、飛行機が取れなかったので31日の朝着です。
で、紅白で「トイレの神様」聞きますね。

No title

穀潰しさん、ガラスの林檎、松田聖子ですね。それから、広瀬ののびやかな高音も聞いていて元気がでますね。

No title

kanazawa sanetokiさんのお婆さんは軍国ばあさんだったのですか。うちの婆さんは「歩く反面教師」で。蕎麦食べて温泉に入って、もオツな過ごし方であります。私は蕎麦が大好き。

No title

j1bkkさん、そういう背景があると、ご夫婦の仲が良くなるのはよくわかります。あまりお互いの実家に近寄りたくない、って感じではありませんか。ああいうふうになるまい、というものがあると、結束が強くなりますよね。あと、長いお休み、うらやましいです。行ってらっしゃいませ!

No title

おばあちゃんは「トイレ」とは言わなかったでしょうね。
私の母(明治42年生まれ)は「ゴフジョ」(ご不浄)と言っていました。
噺家はいまでも「ハバカリ」と言っています。

No title

「家族が全て仲が良い」のは思い込みに過ぎないと思っています。

と、まー坊は思自身の家庭が破錠しているので冷めた感情で見てしまう事が多々あります。

桃実様に一票(笑)。

No title

憲坊法師さま、私はいまでも「お手洗い」と呼ぶのが好きです。昔は確かに不浄だったでしょうけどね。

No title

まー坊さん、家族にも相性のよしあしがありますし、どうしようもないのもいますからね。

No title

私も子どもの頃、「段々ばばさ(祖母)に似て来たな!」と言ってぶたれていました。
だから言うんじゃないけれど、この歌からおばあちゃんの愛情は読み取れません。
親から育児放棄されておばあちゃんに押しつけられ、おばあちゃんは「ちゃんと育ててくれた」けど、結局非行に走っちゃったんでしょ。
おばあちゃんは体は育てたけど、心は育てられなかったってことですよね。
この歌の人は現実を認めたくないから「待っていてくれた」なんて根拠のない解釈で自己陶酔しているだけに見えます。

No title

Kさん、ふむふむ。
「おばあちゃんに似ている」というだけで親から怒られたのは私とまるで同じです。成長してから「だったら産まなきゃよかったでしょ!」と毒づいたら謝ってくれてちょっと溜飲が下がりました。