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2009/12/25

債務(借金)整理の話

電車の中でアコムの吊り広告を見た。こんなことが書いてあった。
「持ち合わせがないのに、急に飲み会の誘い。昼休みに電話しておいた」
「退社後、カードを受け取り、飲み代Get」

うげ・・・ こんなに気軽にサラ金から借金することを勧めるなんて。
退社時までに、自分の銀行口座から下ろしておくか、さもなくば最悪、友人なり同僚に借りるだろう。飲み会1回分くらいならまだしもだが、「友情を壊したければ借金をせよ」という言葉もある。

私は、昔、夫の仕事のため京都に住んでいたとき、夫婦弁護士が経営している小さな法律事務所に勤めたことがある。京都という土地柄は独特で、共産党が異常に強い。この夫婦も揃って共産党員であった。共産党といえば、貧者の一票を大変強いよりどころにしている。この夫婦の知り合いに、京都市の○区を地盤とする京都市議会議員がいた。○区は、貧困層が多いと聞いた。京都のキの字も知らぬ私ら夫婦が住居をさがしていたとき、わざわざ「○区に住んだらあかんで」と忠告してくれる人もあったほどである。理由は、歴史的で、はっきり文章に書けない。で、その市議会議員は、地域の貧者の相談によく乗っていたので、よくよく自己破産しか手段のなさそうな借金まみれの貧者をやたらその弁護士夫婦に紹介してきた。当たり前だが、彼らに弁護士費用など払えるわけがない。みんな弁護士の持ち出し、自腹、ボランティアで破産申立てをしていた。

その、○区の住人に限らないが、破産申立て希望で来る人たちを見ると、本当に「人間って、返すあてもないのに借りるんだなあ。それに、貸す業者も悪いぞ」と思うケースばかり目に付いた。これが事業資金不足でやむなく、といった種類ならまだいい。しかし、大半が、

「4人目の子供ができましたが、夫はパチンコでお金を使ってしまうので、出産費用が足りず、夫に黙ってサラ金で借金しました。その後、5人目を妊娠しましたが、お金がないので、またサラ金から借り、返せなくなりました。サラ金が夫にばれて離婚しました」(この妻はその後生活保護に)
「借金をし、大学の近くで貸しコピー機業を始めましたが、思ったほどコピー機を使いに来ないので、赤字で廃業しました」(マーケティングもしていないのね)
「借金で苦しんでいるところ、人から『運気が良くなる』という指輪を買うように勧められ、ローンを組みましたが、全然返せません」(ちょっとバカ過ぎ)

といったどーしようもない例ばっかりだったのである。
ついでに言えば、破産申し立てするために、
「では、弁護士に依頼するので、ここに住所と名前だけ書いてはんこを押してください」
と彼らに委任状を渡しても、
「いや~、私ら、字、書けへんのやわ」
と、自分の住所はおろか、名前さえ書けない人がぞろぞろいたのには、これまたぶったまげた。特殊な事情で育った中高年の皆さんの中にそういう人がかなりおり、彼らの弁では、
「私らは、学校へ行かへんでもええ、って言われて育ったんやわ」
と言うことだった。そういう土地柄に生まれ育ってしまったのは本当に気の毒だし、京都という土地柄の闇の深さに、暗澹とした気持ちになった。しかし、そういう人たちでも、委任状のうち、住所はまだしも、せめて氏名だけは直筆で書いてもらわないとならないので、私は、ワープロでその人の氏名を、ポイントの大きい活字で数通り印刷し、それを委任状の下敷きにして、上からなぞらせた。日ごろ字を書かないで過ごしている人たちには、字をなぞる、という行為すらも、おっかなびっくりであった。ちなみに、字を読む、という行為をしない人たちは、年をとっても老眼鏡を持っていなかった。

最近は、電車内に、弁護士ないし司法書士による「債務の相談」の広告がやたらに多い。吊り広告だけでなく、テレビCMまで打っている。出資法では、2000年5月31日まで、最高利率が40.006%であった。これが2000年6月1日から29.2%に引き下げられ、この前者の利率と利息制限法の上限の差額、いわゆる「グレーゾーン金利」の差を取り戻す、という仕事を狙っての広告であるし、この債権の請求時効が終わらないうちに、弁護士も司法書士も「ウの目タカの目」で「利息払いすぎ債務者」を探しているのである。
しかし、こんな返還請求は、小学校の算数ができて、利息制限法の条文さえ読めれば、士業の人に頼まずとも、自分一人でもできる。私も、弁護士秘書時代、紙と電卓でずいぶん計算をしてやった。しかも、最近、それら士業の人たちと、報酬の点でもめているという話が新聞によく出ている。士業にも、たちの悪い奴はいるらしい。
士業の人たちから見れば、利息を取り戻せる余地のある借金は、楽でおいしいエリアだ。が、こういうエリアに大々的に広告を打ってまで挑んでいる弁護士、司法書士を想像するに、たしかに「債務整理」は彼らの正当な業務ではあるけれど、借金にあえぐ人たちが、彼らの収入源になるなんて、なんかいやだと思う。それ以前に、そういう人たちに、「安易に、返すあてもないのに借金をしてはならない」という、基本的な教育的指導をしてやって欲しいと思うのだが。

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2008/03/06

続・京都人・・・狭い! 

前回、お香屋に来た、とっても非常識な客の話を書いたついでに、また京都に住んでいた時代の思い出話を書く。

京都人は、視野が狭いなあ、と思った。
その一つは、私のアメリカ人夫の職業についてのことである。
東京だったら、というか、普通だったら、人の職業を聞くときは、
「ご主人は、どこにお勤めですか?」
と尋ねるものではないか。それが、京都の人は、ガイジンと見ると、最初から
「ご主人は、どこで教えてはるんですか?」
と聞く。
外人、イコール、英語の先生だと決めてかかっているのだ。
「いいえ、普通の会社員ですけど」
と答えると、びっくりしていた。
京都では、ガイジンは会社に勤めないのだろうか。
ま、京都は、普通の会社そのものが少ないのは事実だけどね。
だけど、そうとは言っても、狭いよなあ・・・

2008/03/04

昔京都にいた、ひどい客

これは、昔、一時期住んでいた京都で経験した実話である。

京都は、東京に比べれば仕方ないのであるが、働くところのない土地で、私は、短期間の派遣の仕事を転々としていた。
あるとき、老舗のお香(こう)屋の経理の仕事が入ってきた。自宅に近かったので、行くことにした。
その会社は、そのビルが香をつくる工場であり、事務所であり、社長夫妻の自宅であり、かつ、1階に香を売る店舗もあった。
その店舗に、あるお客が香を買いに来た。買った物の合計は、1200円であった。
ところが、その客は、1200円を払おうとしない。
話を聞くと、その客は、ある会社のお使いで来ていた人で、その人が勤める会社のポリシーにより、現金払いは厳禁で(シャレにならんなぁ)、必ず請求書を受け取ってから、しかも、銀行送金手数料を差し引いて払う、というのである。
初めての客なので、店舗の従業員はそのまま鵜呑みにしたらしく、あとで1200円の請求書をその会社あてに送付した。
ところが、その会社は、銀行送金手数料600円(注:当時は今と違って銀行送金手数料が高かった)を差し引いて、たったの600円しか振り込んでこなかったのである。
なんという失敬きわまりない会社だろう。
それならば、600円までのものは、事実上タダで買えることになってしまうではないか。

で、私は経理に派遣されていたので、その会社あてに、600円の請求書を、不定期に送付する、という仕事も指示された。
「あいつらが振り込むまで、請求書を送り続ける」
と、その経理責任者は執念と敵意を燃やしていた。
そのうち、切手代の方が600円を超えてしまっただろう。
私は、その派遣先には3ヶ月しか勤めなかったので、その後日談を知らない。

今でも時々この失敬きわまりないお客の会社のことを考えたりする。
こういう失敬な会社は、結局、ほかの取引先にも嫌われて、取引を断られ、結局倒産したのではないかな。
客にも客のマナーというものがある、と、深く悟らされた一件であった。